
高橋 漠 個展 | On the Tide
高橋漠の個展を福岡県宗像市にある制作スタジオで開催します。
スタジオは、私がかつて子ども時代を過ごした敷地内にある農作業小屋でパートナーの和田朋子とともに改装し制作の場として使ってきました。
今回は、その空間に人を招いて作品の展示をすることにしました。作品だけでなくその環境や背景も含めて楽しんでいただけるような展示会を目指します。
□会期
2025年10月24日(金)〜26日(日)
10:00〜17:00(完全予約制)
□会場
〒811-3401 福岡県宗像市池浦504-2
□ご予約について
ご来場には事前予約が必要です。詳しくはリンク先ページをご覧ください。
展示会について
今回の展示では、新作を中心に約30点を展示いたします。これまでの表現を受け継ぎながら、技法や素材に新たな試みを加えた作品群です。
会場となるのは、私がふだん制作をしているスタジオです。田んぼや雑木林に囲まれた場所で光や風、土の匂いなど周囲の環境を感じながら日々ものづくりをしています。
作品が生まれた場所に足を運んでもらうことで作品だけでなく、その背景にある時間の流れや空気も感じてもらえたらと思っています。

作品制作の背景
ここ数年、作品との向き合い方に変化がありました。
以前は、自分の気持ちを整理することとパーツを組み替える制作過程に共通点を見出しながら、内面の構造や感情を作品に投影することを意識していました。
けれども、次第に内面を掘り下げることそのものにどこか飽きや窮屈さを感じるようになっていきました。
2024年の個展《みちくさ》では、あえて自分の外側にあるものに目を向けて制作しました。
子どもと歩いていると、道ばたの草や石に立ち止まり、ただ意味や目的もなく眺めたり並べたりすることがあります。
その時間には、目の前のことだけに意識を向ける感覚があり役割や立場から解放された「ただの自分」を感じることができました。今回の作品でも、そうした感覚や時間の質を反映させたいと思っています。
これまで私は、展示会のたびに作品を都市に運び多くの人に届けてきました。
都市での展示は、刺激や出会いに満ちていた一方で自分や作品をその場に“合わせている”ような感覚もありました。
私の作品は、自然に囲まれたガラススタジオや家族と過ごす時間、季節のうつろいといった暮らしの中から生まれてきたものです。
だからこそ今回は、その暮らしと地続きの場所であるスタジオで作品を見てもらいたいと考えました。

展示タイトルの由来
この場所での制作を続けるなかで生まれてきた心境の変化が『On the Tide(潮にのって)』という展示タイトルにも込められています。
日々の制作や暮らしの中では思い通りにいかないこともあります。
かつては、それを無理にコントロールしようとして空回りすることもありました。
けれども今は「そういうものなんだ」と一度受け止め、流れに逆らわずにいることが、かえって余白を生み、より遠くまで進めることもあると感じるようになりました。
流されるのでもなく、逆らうのでもなく、自分で舵を取るように進んでいく。
そのあわいに、いまの私の目指す姿があります。


